プロテオグリカンとは?~かつて幻の成分と呼ばれた成分~

今、健康業界や美容業界はもちろん、医療の世界においてももっとも注目を浴びているといっても過言ではない魔法のような成分「プロテオグリカン」。

牛や鶏のごく限られた部分からしか抽出することができず、かつては1g=3,000万円の高値で取引されていた幻の成分と呼ばれることもあった大変希少な成分です。

こちらのページでは、プロテオグリカンの役割や歴史、活用方法の例などプロテオグリカンに関する基本的な知識をまとめました。

プロテオグリカンとは?

プロテオグリカンとはある一本のコアタンパク質に数本から数十本のグリコサミノグリカン(糖鎖)が結合した糖タンパク質の一種です。

コアタンパク質には体内や皮膚の組織を修復・維持する役割や、他の細胞と細胞をつなぐ役割があります。

プロテオグリカンの種類について

プロテオグリカンは結合する糖鎖の種類によって分類されています。現在20数種類のプロテオグリカンが発見されていますが、その中でも代表的な三種類をご紹介します。

プロテオグリカンの最も代表的な種類は「アグリカン」で、主に動物の関節軟骨に存在しています。アグリカンのコアタンパク質はヒアルロン酸結合機能を持っているため保水力が高く、外部からの衝撃を吸収する作用も担っています。

「パールカン」は基底膜と呼ばれる、細胞と各組織との結合面に存在するプロテオグリカンです。パールカンは、網状に広がったⅣ型コラーゲンの中に入るような形で水分をしっかりと保持する役割を担っています。

そして「バーシカン」は皮膚の真皮層に存在するプロテオグリカンです。アグリカン同様にコアタンパク質はヒアルロン酸結合機能を持ち、保水力の高いプロテオグリカンです。

プロテオグリカンの役割とは?

プロテオグリカンは皮膚や軟骨など、もともと私たちの体の中に存在している成分です。そのため体内に取り入れた際に副作用やアレルギーの心配が少ない成分だと言えます。

プロテオグリカンは細胞外マトリックスの中心的存在です。

私たちの体は細胞が集まって構成されていますが、細胞と細胞がぴったりと隙間なくくっついているわけではなく、その間を「細胞外マトリックス」が埋めています。細胞外マトリックスは細胞の接着や細胞の調節などさまざまな機能を持っていて、細胞と同じくらい重要な物質なのです。

細胞外マトリックスはおもに水・繊維状タンパク質・多糖類で構成されています。

繊維状タンパク質にはコラーゲンやエラスチン、ラミニン、そしてプロテオグリカンはヒアルロン酸などとともに多糖類に分類されます。おもな細胞外マトリックスの働きを見てみましょう。

コラーゲンの働き

コラーゲンは真皮層に網目のように張り巡らされていて肌の弾力やハリを生み出す働きがあり、美容に欠かせない成分です。また、軟骨の弾力性を保ち関節をスムーズに動かしたり、骨を丈夫にするなどさまざまな役割を担っています。

年齢とともに体内で生成されるコラーゲンの量が減少すると、しわやたるみなどの皮膚症状や、関節の痛みが現れる要因となります。

ヒアルロン酸の働き

ヒアルロン酸は皮膚の中でも表皮に多く含まれていて、糖鎖の間に水分子が入り込むことで大量の水分を保持することができる成分です。真皮のヒアルロン酸が減少すると水分を抱え込むことができず、皮膚表面の乾燥や肌荒れを起こしてしまいます。

また、関節においても軟骨と軟骨の間の滑りをスムーズにし、関節への衝撃を吸収する役割も担っています。

プロテオグリカンの働き

プロテオグリカンにはコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進する働きがありますコラーゲンやヒアルロン酸が肌のハリやスムーズな関節の動きに欠かせない成分であることをご説明しましたが、プロテオグリカンはこれらの産生を促進するとともにプロテオグリカン自体も高い保水能力を持っています

プロテオグリカンはブラシ構造のおかげで水分をたっぷりとためこむことができ、ヒアルロン酸を超えるほどの保水力を持ちます。溜め込んだ水をクッション材として外部からの衝撃を吸収したり、軟骨の柔軟性を生み出し関節の動きをスムーズにするので、変形性膝関節症などの症状の改善に非常に効果の高い成分なのです。

プロテオグリカンの歴史

プロテオグリカンはすべての動物の皮膚や軟骨などに存在しています。

しかし高濃度で抽出するのが困難であり、牛や豚の気管軟骨などからの抽出では1gあたり3,000万円という莫大なコストがかかってしまい、実用化は現実的ではないと考えられてきました。

しかしプロテオグリカンの働きに注目した弘前大学と青森県における産官学共同のプロジェクトにより、鮭の鼻軟骨(氷頭)からプロテオグリカンを抽出する技術が確立されました。有害薬品を使用しない安全で比較的安価な抽出技術の確立により、プロテオグリカンの大量生産が可能になり近年では人体に関わる分野へと応用されるようになりました。

プロテオグリカンの抽出技術について

鮭の鼻軟骨(氷頭)にプロテオグリカンが含まれていることは以前から知られていましたが、氷頭は非常に固く扱いが困難でした。

近年弘前大学医学部高垣教授と青森市の商社の研究により、クロロホルム等の有害薬品を使用せずに、酢酸を用いて高純度のプロテオグリカンを抽出する技術が世界で初めて確立されました。

この技術のおかげでプロテオグリカンを比較的安価に大量生産することが可能となりました。

非変性の技術により最大限の恩恵を受けることが可能に

プロテオグリカンは複雑な形をしていて、抽出過程で熱を加えるとばらばらになりやすい成分です。ばらばらに壊れてしまったプロテオグリカンを体内に取り込んでもスムーズに吸収されません。

変質しやすい加熱処理や化学処理をせずに抽出する技術が確立され、構造が壊れていない「非変性プロテオグリカン」の抽出が可能となり、体内でも他の成分に変性することなくスムーズに吸収されるようになりました。

プロテオグリカンはどのように活用されているの?

医療や健康産業で長い間注目されてきたプロテオグリカンの大量生産が可能となり、さまざまな分野で活用され始めています。

健康食品

すり減った軟骨を補完したり弾力性をサポートしたりする働きをもつプロテオグリカンは、変形性関節症の症状緩和やロコモティブシンドロームの予防に大きな効果があります。

少し前まではこれらの症状にはグルコサミンやコンドロイチンが有効であると考えられおり、これらを主成分とするサプリメントのサブ成分としてプロテオグリカンが活用されていました。

しかし近年プロテオグリカンの医学的なエビデンスが揃い始め、軟骨成分そのものであるプロテオグリカンをメインに据えたサプリが続々と発売されて効果を発揮しています。「グルコサミンでは効果を得られなかった」という方には画期的な商品となっています。

化粧品

美肌効果が期待できるEGF(上皮細胞増殖成長因子)に似た作用や、群を抜いた保水性をもつプロテオグリカンは化粧品分野においても注目の成分です。

肌をより若々しく保つエイジング対策としても効果が認められ、化粧品にも配合されるようになってきました。

医薬品

プロテオグリカンは免疫システムのバランスを整える働きがあり、腸内環境の改善や炎症性腸疾患の治癒効果、アレルギー症状緩和などさまざまな効能が確認されています。

人々の健康をサポートする医薬品として、実用化が進んでいます。

幻の成分プロテオグリカンは今では手軽に購入可能。積極的に活用を!

プロテオグリカンがかつて1g=3,000万もの高い価値が付けられていたのは、成分自体の希少性や抽出の手間だけでなく、その高い効果が認められていた証でもあります。

かつて幻と呼ばれていた成分を誰でも手軽に利用できるようになった今、その価値を利用しない手はありません。

プロテオグリカン配合のサプリメントや化粧品を積極的に活用して、ぜひその高い効果を実感してくださいね。

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